姑は5月10日が誕生日だ。だからだいたい母の日と重なる事が多い。

今年も土曜日が誕生日で日曜日が母の日であった。

いつも泊りがけで遊びに行くが、プレゼントには頭を悩ます。何を上げてもあまり喜ばない。それで仕方がないので現金にしていたのだが、今年は思い立ってあるものを持って行った。

 それはテレビの音声が手元ではっきり聞けるコードレススピーカーなるもの。姑は誕生日が来たので89歳になった。年の割にはしっかりしていて一人暮らしで、何の問題もない。ただ、耳がかなり遠くなった。テレビを大きくしているので玄関の呼び鈴が全く聞こえないとこぼしていた。

これはいいもを見つけたと思い、さっそく姑に見せると耳元で声がするのでとてもいいと喜んでくれた。使い勝手も複雑ではなく電源を入れてボリュウムを調整するだけ。

ところがたったそれだけの事が出来ない。しかも、説明するたびに初めて聞いたような顔をして「これは便利でいいね。耳元ではっきり聞こえる」と同じ反応をする。

 今年になってから、デェイサービスに行きたいと言うので、認定を受けた。その時は認知症ではなく、膝が悪く立ったり座ったりが出来ない、右手が震えて字がかけないと言う事で「要支援1」だった。

認知症ではないと思うが、新しい事はほとんど理解できないと言う事を思い知らされた。今後は認知症も視野に入れて考えなければならないのだろうか。いつまでも元気で一人で頑張ってほしいと思うのは私たちのわがままかもしれない。